フリーザによるサイヤ人の整理解雇は適切なのか?
2020/05/31
今回の記事は冗談だと思って読んでください。
ドラゴンボールの中でも最も強いインパクトを残した敵役は宇宙の帝王フリーザではないでしょうか。
フリーザ様の仕事は「よい星を探し~略~適当な星を求めている異星人たちに高く売る」ことです。(平社員ラディッツさんの話)
いわば地球でいうところの不動産会社です。
株式会社フリーザといったところでしょうか。
目次
株式会社フリーザの経営陣
ドラゴンボールを読む限り、株式会社フリーザの経営陣は次のようになっていると思われます。
代表取締役・・・フリーザ様
取締役 ・・・ギニュー隊長
取締役 ・・・ザーボンさん
取締役 ・・・ドドリアさん
ベジータは部長クラス?サイヤ人部は少数精鋭!!
サイヤ人の王子であるベジータは取締役であるザーボンさん&ドドリアさんの下に位置していると思われます。
現代の企業でいう部長クラスのポジションではないでしょうか。
株式会社フリーザは大企業です。
従業員の数は相当多いはずです。
大企業の部長にしてはベジータの部下の数が少ないです。
ナッパとラディッツの2人だけ。
しかしサイヤ人部は優秀な社員が集まっています。
株式会社フリーザの一般社員の戦闘力が1,000だとすると、ラディッツは1,500、ナッパは4,000、ベジータ部長にいたっては初期段階で18,000と一般社員を大きく上回っています。
以上のことから株式会社フリーザ・サイヤ人部は少数精鋭であると推測されます。
株式会社フリーザによるサイヤ人の整理解雇は妥当か?
ベジータ部長がまだ少年のころ、フリーザ社長はサイヤ人を整理解雇しています。
整理解雇が妥当なものかどうかは「整理解雇の4要件(要素)」と呼ばれる4つの観点から判断されます。
整理解雇の4要件(要素)
(1)人員削減を行う経営上の必要性
(2)使用者による十分な解雇回避努力
(3)被解雇者の選定基準およびその適用の合理性
(4)被解雇者や労働組合との間の十分な協議等の適正な手続
『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦』の最終決戦を見る限り、フリーザ社長は整理解雇の4要件を全く無視したまま大量解雇に踏み切りました。
(ザーボンさん、ドドリアさん
人員削減を行う経営上の必要性
まず「人員削減を行う経営上の必要性」について考えますが、作品を見る限り以下の点から株式会社フリーザの経営は順調であると言えます。
□巨大な宇宙船
□最先端の医療機器
□相手の戦闘力も分かる高性能通信機器(スカウター)を社員に貸与
□超高性能作業服を社員に貸与(大猿になっても破けない)
□戦闘力の低い社員には光線銃の貸与
□社員に小型宇宙船の貸与
あのボールみたいな宇宙船っていくらするのでしょうかね?
仮に地球でいうところの軽自動車と同じ値段だとしても、社員全員分をそろえるには相当な費用がかかります。
株式会社フリーザがいかに儲かっているのかが分かります。
ということで「人員削減を行う経営上の必要性」はないと私は思います。
使用者による十分な解雇回避努力
会社を解雇されれば収入がなくなるので、従業員は路頭に迷うことになります。
そのため使用者は
□配置転換
□新規採用の抑制
□残業の削減
□希望退職者の募集
など、さまざまな策を講じて経費削減に努め、解雇を回避するようにしなければなりません。
株式会社フリーザがこれらの策を講じているシーンは作中にはありませんでした。
したがって「使用者による十分な解雇回避努力」はしていないと私は考えます。
被解雇者の選定基準およびその適用の合理性
整理解雇を行なう場合、解雇対象者は合理的に選ばなければなりません。
何が合理的かは判断が難しく個々のケースによりますが、一般的に次の基準に基づき解雇者を選定します。
□営業成績など企業への貢献度
□欠勤や懲戒履歴
□扶養家族の有無
『ドラゴンボールZ たった一人の最終決戦』では、解雇対象者を選定するためにフリーザ様、ザーボンさん、ドドリアさんによる取締役会議が行なわれました。
その取締役会の中で次のような発言が記録されています。
ザーボンさん:私はただこのままサイヤ人を放っておいては、かなり面倒なことになるのではないかと思ってな。いつまたベジータのような奴が現れるかもしれんし、そんな奴に徒党を組まれたら・・・
フリーザ様 :目障りになるというわけですね。
目障りになるかもしれないから・・・!!
これは現代の日本では合理的な選定基準とは認められないでしょう。
また取締役の一人であるドドリアさんは「サイヤ人はよく働く」といった趣旨の発言をしています。
サイヤ人は真面目に勤務し、営業(惑星侵略)成績も優秀だったのでしょう。
以上のことから「被解雇者の選定基準およびその適用の合理性」もないと言えるでしょう。
私が株式会社フリーザの顧問社労士であれば、「社長、解雇は思いとどまってください!!」と声を大にして叫びます。(花火になってしまうかもしれませんが)
被解雇者や労働組合との間の十分な協議等の適正な手続
最後は「被解雇者や労働組合との間の十分な協議等の適正な手続」についてです。
作品を見る限り株式会社フリーザからサイヤ人への説明や協議は一切行われていません。
フリーザ社長から突然解雇を宣告されています。(綺麗な花火ですよ)
さらに言えば、サイヤ人ではない社員も巻きぞえを喰らって一緒に解雇されています。
いきなり解雇では『被解雇者や労働組合との間の十分な協議等の適正な手続』が行われていないことは明白です。
サイヤ人の皆さんは社会保険労務士、弁護士、労働基準監督署などに相談を!!
以上のことから株式会社フリーザによるサイヤ人整理解雇は不当であると考えます。
サイヤ人の皆さんはADR(裁判外紛争解決手続き)、労働審判なども視野にいれつつ、株式会社フリーザに対して行動を起こしましょう!!