「退職理由は”会社都合”にしてください」と言われたら
2021/09/14
アメリカでは大統領選挙に向けたテレビ討論が行われています。
討論ではヒラリー・クリントンが優勢だったと感じている人が多いのでしょうか。
Key&PeeleのPresident Obama’s anger translatorシリーズが好きなので、オバマさんが大統領でなくなることを寂しく思います。
目次
退職理由は”会社都合”にして下さい
会社を経営していて、自己都合で退職する従業員から「退職理由は”会社都合”にして下さい」と頼まれたことはないでしょうか?
従業員からこのように頼まれたときは応じないようにしましょう。
これに応じてしまうと、基本手当(いわゆる失業手当)の不正受給の片棒を担ぐことになります。
基本手当は自己都合で退職するより”会社都合”で退職したときのほうが給付日数が多くなることがあります。
また自己都合で退職した場合は2か月または3か月の給付制限期間がつき、その間は基本手当は支給されませんが、会社都合で退職した場合は給付制限期間はつきません。
そのため虚偽の退職理由を記載した離職票の作成を会社に頼む人がいるのです。
従業員に頼まれたとはいえ、行政に対して虚偽の届出を行ったわけですから、会社側もペナルティを受ける可能性があります。
従業員が「退職理由を”会社都合”にしてほしい」と申し出てきた場合は話をよく聞き、正当な理由がないのであれば応じないようにしましょう。
中には基本手当が早く多く貰えるようにと従業員が退職する際には常に”会社都合”と記載した離職票を作成している会社もあるようですが、これはいけません。
【参考】
基本手当の所定給付日数 ~ハローワークHP~
厚生労働省管轄の助成金が貰えなくなることある
厚生労働省は多くの助成金制度を設けています。
その支給要件の中に以下のような支給要件を設けているものが多くあります。
【トライアル雇用の場合の支給要件抜粋】
トライアル雇用を開始した日の前日から起算して6カ月前の日からトライアル雇用終了までの間において、トライアル実施事業所において、特定受給資格者となる離職理由によりその雇用する被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。)が3人を超え、かつ、当該雇入れ日における被保険者数の6%に相当する数を超えて離職させた事業主以外の事業主であること。
なかなか分かりづらい表現ですが簡単に言うと、「会社都合で退職した人間がいると助成金を支給しないことがある」ということを述べています。
従業員に言われるがまま、”会社都合”と記載された離職票を作成していると助成金を活用することができなくなることもあります。
事実のとおりに手続きを行うのが一番
従業員側も会社側も軽い気持ちで離職理由の変更を行っているのかもしれませんが、虚偽の離職理由を記載することは大きなリスクがあることを自覚しましょう。
事実のままに手続きを行うのが一番です。
従業員から「”会社都合”に変更してください」と頼まれても応じる必要はありません。
はっきりと断るようにしましょう。