『史記列伝 刺客列伝第二十六』を読む
2020/05/31
今更ですが岩波文庫の『史記列伝』を読んでいます。
『刺客列伝 第二十六』の予譲と趙襄子のエピソードが胸を打ちます。
予譲は主君・智伯の仇討のため趙襄子を襲いますが、趙襄子は予譲の心に義を見て取ります。
予譲も趙襄子も見事な人物だと言えます。
范氏・中行氏はどちらもわたくしを並のものとしてお扱いになった。
わたくしはだから並のものとしておこたえしました。
智伯さまとなりますと、わたしを国士(一国で傑出した人物)として待遇してくだされた。
わたくしはだから国士としておこたえしたいのです
~刺客列伝 第二十六~
まさに予譲は「士は己を知る者のために死す」体現しました。
『管・晏列伝 第二』にも「君子は己を知らざる者には屈し、己を知る者に志を伸ぶ」という言葉が出てきます。
人として生まれたからには己を知る者のために生きたいものです。
誰が己を一番知っているかというと、やはり自分自身なのではないでしょうか。
自分自身の夢や目標に向かってまっすぐに生きていきたいものです。
常識、社会通念、世間の目、親や上司からの期待、経済状況など、私たちはいろいろなことを言い訳にして自分自身の夢や目標をないがしろにしてしまいがちです。
そうならないためには自分の意志や目標がぶれないように常に自己の内面を見つめることが大切なのだと思います。
予譲の考えとは異なりますが、私はそんなふうに思いました。