随筆・プライベート

Elizabeth Holmes(エリザベス・ホルムズ)とは何者だったのか?

2020/05/31

アメリカのTheranosの創業者、Elizabeth Holmes(エリザベス・ホルムズ)に興味があり、ここのところ新聞記事などを読み漁っています。

Theranosは指先からの採血による血液検査技術を開発し、創設者であるホルムズは女性版スティーブ・ジョブズと言われたり、アメリカで最も成功した女性と言われたりと、メディアから絶賛されました。

Forbsの表紙を飾ったり、TEDTALKでプレゼンしたりとまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

彼女を題材にする映画を作成するとの企画もあったようです。(その後どうなったのでしょうか?)

ところが、Theranosの血液検査技術には多くの問題点があることが発覚し、行政官庁からホルムズは2年間の医療業務への関与禁止処分を言い渡され、研究所も閉鎖となりました。

こうなってくるとメディアや投資家を振り回した「エリザベス・ホルムズとは何者だったのか?」という強烈な疑問が湧いてきます。

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目次

シリコンバレーゲームのマスター

NewYorkTimesの記事に次のような文がありました。

・彼女はシリコンバレーゲームを実によく理解していた。

・彼女は多くの雑誌の表紙を飾り、テレビに出演し、講演会の基調演説のオファーを受けた。

・ある意味彼女は全世界的な尊敬を得たが、それは彼女の非凡な活動を反映したものだった。言い換えればそれはシリコンバレー自身の自己愛を反映したものだった。

スティーブ・ジョブズの真似をして常にタートルネックを着たり、多くのメディアに出演したりと、彼女はセルフプロデュースの天才だったように思えます。

「注射器が嫌いな女の子が医療業界に旋風を巻き起こす」のようなストーリーは多くの人の興味を引きます。

しかし彼女が語るストーリー、彼女が信じたストーリーと現実世界には大きなズレがあり、彼女のセルフプロデュース力を持ってしても、次第にズレを埋めきれなくなっていったという印象を私は受けます。

血液検査技術に問題があることを知っていたのか?

シリコンバレーゲームのマスターであるホルムズは投資家から多くの資金を集めました。

Theranosが投資家から資金を得る際の得る際、Theranosの技術については明らかにしないというが条件が含まれていたそうです。

重要な企業秘密だからこのような条件を付けたのでしょうか。

それとも彼女はTheranosの技術に問題があることを知っていたからこのような条件を付けたのでしょうか?

私が読んだ記事ではホルムズの大学時代の教授、そしてTheranosの技術者でさえも、Theranosの技術では正確な血液検査は行えないとホルムズに指摘していたそうです。

Theranosの社員で自社の技術に疑問を呈した者は社内で厳しく批難されるとの記事もありました。

やはり彼女は当初から自社の血液検査技術に問題があることを知っていたと考えるほうが自然です。

役員には元国務長官(しかも2人)と元上院議員ら錚々たるメンバーが!!

Theranosの役員には元国務長官のヘンリー・キッシンジャーやジョージ・シュルツの他、元上院議員など錚々たるメンバーが揃っています。

 

う~ん・・・。凄い!!

元国務長官(しかも2人も)+元上院議員を役員に迎え入れるって!!

 

日本でいうと役員に元外務大臣が2人いて、さらに元国会院議員が役員になっている会社です。

 

いったいどういう経緯で役員になったのでしょうか?

彼らはTheranosとホルムズに対してどのような影響を与えていたのでしょうか?

謎だらけ、知りたいことだらけです。

詳細なドキュメンタリーが書籍となったら読んでみたい

現在もTheranosに対する行政機関の調査は継続しています。またいくつかの事案についてはTheranosは再審査を申し立てています。

いつかTheranosとホルムズについての詳細なドキュメンタリーが書籍となって発売されることを期待しています。

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