随筆・プライベート

パワハラについて考える

2020/05/31

大きな組織に属している、または高い地位にあるからといって、人格が高潔とは限らないし、能力があるとも限りません。

今年も大企業や政治家の不正や失敗が相次いでいます。

荘子の中にこんな一文があります。

それに、ほんとうに貴ぶべきものがあの宰相の地位にあるのか、それともわが身にあるのか、それは分からない。

もし貴ぶべきものがあちらにあるとすれば、わが身には関係がなく、わが身にあるとすれば、あちらの宰相の地位に関係がない。

こんな境地でわたしは離れがたくたたずんで、四方を見回しているところです。

人の身分が高貴だとか卑賎だとかいったことまで考える余裕はとてもありませんね。

荘子 (著), 金谷 治 岩波文庫 『荘子』

所属している組織の大きさや地位の高さは、その人自身の価値とは関係がないということです。

目次

パワハラについて考える

今回はパワハラについて考えたいと思います。

厚生労働省がパワハラについてハンドブックを作成しています。

経営者や部下を持つ方だけでなく、全ての方に読んでいただきたいと思います。

パワハラは経営者や上司から行われるだけでなく、部下から上司、同じ地位の社員間で行われることもあるからです。

職場のパワーハラスメント対策ハンドブック

パワハラ対策についての総合サイトもあります。

パワハラ対策の研修用資料など役立つ情報が載っています。

あかるい職場応援団

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パワハラとは具体的に何なのか?

厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」は「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を発表しています。

「パワハラとは何なのか?」「具体的にどのようなことがパワハラにあたるのか?」ということが提言の中で述べられいます。

【職場のパワーハラスメントの概念】

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。

【職場のパワーハラスメントの行為類型(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意する必要がある)】

①暴行・傷害(身体的な攻撃)
②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

行為類型の中にカッコ書きで”典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意する必要がある”と書かれています。

人それぞれ考え方・感じ方が違います。

自分の行動が精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為に当たらないか、慎重に考える必要があります。

言い換えれば相手に対して思いやりを持って行動することが重要です。

何がパワハラにあたるか具体例をもとに検討する

何がパワハラにあたるか判断するのは難しいところもありますが、具体例をもとに検討してみるといいでしょう。

 

「バカ野郎!!」などの言葉を使うのはどうか?

小突いたり、叩いたりなどの暴力を振るうのはどうか?。

長時間・長期間にわたる叱責を行なうのはどうか?

「明日の朝までに資料を全部用意しておけ!!」というように過大な業務を押し付けるのはどうか?

 

一つ一つの例についてパワハラかどうか検討するのです。

はっきりとパワハラだと判断できるものもあれば、ケースバイケースで判断が変わるものもあるでしょう。

こうした議論を重ねることで、パワハラに対しての共通の認識を持つことが目標です。

敵が多くてはいい仕事ができない

パワハラを行えば人は離れます。

やられたほうは恨みに思うこともあるでしょう。

パワハラは会社の味方を減らし敵を増やす行為ともいえます。

味方が少なく敵が多い状況ではいい仕事はできません。

お互いに思いやりをもって皆が気持ちよく働ける環境を作りたいものです。

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