社会保険

年金事務所の調査の際に用意すべき書類がなかったら?

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

今週から相模原から鎌倉に移転しています。

今回は年金事務所の調査について書きたいと思います。

目次

年金事務所の調査の際に必要な書類

先日、年金事務所による企業への調査があり某年金事務所へ行きました。

調査の際には以下の書類を用意するよう通知されます。

(1)労働者名簿、雇用契約書

(2)源泉所得税領収証書、個人別所得税源泉徴収簿

(3)賃金台帳、給与支給明細書、給与振込明細書

(4)出勤簿またはタイムカード

(5)被保険者資格取得届、算定基礎届、月額変更届、賞与支払届のなどの決定通知書

(6)就業規則(労働協約)及び給与規程

(7)事業所名、所在地のゴム印及び社印、代表者印(持ち出し可能な場合)

※実際の通知に記載されている内容とは異なることもあるので、調査の際は必ず日本年金機構より送付される通知を確認してください。

調査にタイムカードや賃金台帳などの書類を持っていかなかったらどうなるのか?

調査は無事に終わり、すこし年金事務所の職員の方と雑談する時間がありました。

職員の方によると、何の書類も持ってこないで「タイムカードも賃金台帳も頭の中に入っている!!」と主張する会社があるそうです。

年金事務所はタイムカードや賃金台帳、源泉所得税の領収書などの書類をもとに社会保険に関する届出が正しく行われているかを調査します。

これらの書類が一つもなければ調べようがありません。

こういった場合は後日再調査になると思われます。

持ってくるように通知された書類がない場合はどうすればいいか?

労働者名簿や雇用契約書などの書類がない会社も少なからずあります。

作成していない場合はすぐに作成しましょう。

 

労働者名簿は履歴書などをもとに作ることができます。

賃金台帳も給与明細をもとに作成できます。

調査の日時に間に合わない場合は給与明細の状態で持っていきましょう。

雇用契約書は法律で記載するよう定められた事項と現状の労働条件をもとに作成します。

 

就業規則は労働者数が常時10人未満であれば作成の義務はありません。

常時10人未満の企業であれば「労働者数が10人未満なので作成していません」と伝えましょう。

 

では労働者数が10人以上で就業規則がない場合はどうすればいいでしょうか?

これは素直に年金事務所に伝えましょう。

就業規則はすぐに作れるものではありません。

就業規則だけがないのであれば、そのまま調査を続けるケースが多いと思われます。

無ければ無いで仕方がない

では書類がない、作成が間に合わない場合はどうればいいのでしょうか?

これはもう仕方ありません。

正直に年金事務所の職員に「書類を作成していません」と伝えましょう。

何らかの指示が出されるはずです。

まな板の上の鯉になったつもりで相手の指示を待ちましょう。

タイムカードや賃金台帳などの偽造・改ざんはやってはいけない

労働基準監督署などの調査でも同じことが言えますが、タイムカードや賃金台帳の偽造・改ざんは許されません。

労働基準法では賃金台帳の改ざんは30万円以下の罰金となります。

 

タイムカードなどの書類がないからと言って、事実と異なる書類を作成するのはやってはいけません。

「書類はありません。これから作成します」で済む話が、偽造・改ざんしたばかりに正しい箇所まで不正を疑われたり、処罰される可能性すらあるとすると、割に合わないとは思いませんか?

どうしても疑問が解消されない場合は他の職員にあらためて質問することも

調査の際に何らかの指摘・指示が年金事務所から出されることがあります。

分からないこと、納得できないことがあれば何でも質問するようにしましょう。

もし疑問が解消されない場合は、他の職員にあらためて質問することをお勧めします。

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