フリーターへの偏見?厚生労働省が作成したフリーターに関するアニメ動画
2021/01/06
こんにちは。
神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。
厚生労働省が作成したフリーターに関するアニメ動画が物議を醸しているとの報道を目にしました。
どんな動画なのか、さっそくYoutubeで見てみました。
目次
厚生労働省が作成したフリーターについてのアニメ動画を見てみる
みなさんはどのような感想をお持ちになられたでしょうか。
確かにフリーターの描き方に偏りがあるように感じます。
また正社員もかなりステレオタイプに描かれています。
8分12秒ごろから正社員とフリーターの対比が行われています。
正社員のセリフを抜き出します。
【8分12秒~9分00秒の正社員に関するセリフ】
正社員23歳⇒初のボーナスだ!!
正社員30歳⇒係長に昇進したぞ!!仕事は忙しいけど、やりがいも出てきた。
正社員40歳⇒部長に昇進!!部下も増えて仕事も充実!!
正社員60歳⇒会社を定年退職!!第二の人生を計画中。
※動画では60歳で定年退職となっていますが、会社は希望した人を65歳まで雇用する義務があります。動画では65歳までの雇用を望まなかったのかな?
・・・この会社、どこの会社なんですかね?
こんなにうまく行きますか?
正社員として一つの会社に定年退職まで務めることが良いことのように描かれていると感じますが、果たしてどうでしょうか?
お役人様が考える人生とはこんなものなのかもしれません。
単に「わかものハローワークや新卒応援ハローワークがあり、厚生労働省としても様々なサポートを行っているから利用してください」という動画を作ればよかったのではないかと思います。
フリーターは15歳から34歳まで!?
総務省統計局ではフリーターを以下のように定義しています。
年齢が15~34歳で、男性は卒業者、女性は卒業者で未婚の者のうち次の者をいう。
1.雇用者のうち勤め先における呼称がパート・アルバイトの者
2.完全失業者のうち探している仕事の形態がパート・アルバイトの者
3.非労働力人口で、家事も通学のしていないその他の者のうち、就業内定しておらず、希望する仕事の形態がパート・アルバイトの者総務省統計局 16A-Q09 フリーターの人数
フリーターは15歳から34歳までです。
35歳でパート・アルバイトとして働いている人はフリーターに含まれなくなります。
さてさて、34歳と35歳でなにか違いがあるのでしょうか?
また女性の場合は未婚に限定する理由はなにかあるのでしょうか?
よく分かりませんな・・・。(´゚д゚`)
理不尽、偏見、差別、失敗や苦難があっても、それは私たちの人格を少しも損なわない
私は就職氷河期である2004年に大学を卒業しています。
就職活動中にうつ病になった学生、新卒でないと採用試験で不利になるため故意に留年する学生、採用試験に合格しても内定取り消しになる学生がいました。
就職活動がうまくいかずフリーターになった学生もいました。
圧迫面接が流行っていた時期でもあり、面接試験で人格を否定するような激しい言葉を浴びせられた学生もいたようです。
世の中理不尽なことばかりだと思いました。
今、私が思うことは、「生きていればさまざまな理不尽、偏見、失敗、苦難に見舞われるけれど、それらは私たちの人格を少しも損なうものではない」ということです。
荘子は著書の中で孔子に次のように語らせています。
わたしは、仁義の道をしっかりと守りながら、それで乱世の害にあったまでだ。どうしてひどいゆきづまりなどと言えようか。
だから、自ら反省してみて道に対してやましいこともなく、災難にぶつかってわが身の徳を失うこともない。
大寒がやってきて霜や雪がふるようになって、そこでわれわれは松や柏(ひのき)が寒中にも強いことを知るものだ。
斉の桓公は覇業のきっかけを莒に亡命した苦難のなかで得たのだし、晋の文公も覇業のきっかけを亡命中の曹の侮辱のなかで得たのだし、越王の勾践はその復讐のきっかけを会稽の忍従の生活の中で得たのだ。
陳と蔡のこの苦難は、わたしにとってなんと幸運なことではないか。
荘子 (著) 金谷 治 (翻訳) 岩波文庫 『荘子』
荘子らしい力強い言葉ですね。
理不尽や偏見に遭っても、それをそのまま受け入れる必要はありません。
自分を信じて、強くしなやかに生きていきたいですね!!