労働問題

良い会社と信じる、信じさせるための儀式

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

このブログですが、どんな検索ワードでブログにたどり着いたかが分かる機能があります。

ホームページもブログもSEO対策を施していないので、私のページを見ている人はかなり根気よく検索しているのだと思います。

たびたび「社員 退職 防ぐ」「アルバイト 退職 防ぐ」という検索ワードを目にします。

社員の退職を防ぐためにすべきことは何なのか考えてみました。

一番重要なのはコミュニケーション方法、質、量

社会保険労務士の立場としては就業規則や雇用契約書、誓約書を整備したりしますが、一番重要なのはコミュニケーションの質と量なのだと思います。

今年話題になった『サピエンス全史』に次のような記述があります。

歴史の大半は、どうやって厖大な数の人を納得させ、神、あるいは国民、あるいは有限責任会社にまつわる特定の物語を彼らに信じてもらうかという問題を軸に展開してきた。とはいえ、この試みが成功すると、サピエンスは途方もない力を得る。なぜなら、そのおかげで無数の見知らぬ人どうしが力を合わせ、共通の目的のために精を出すことが可能になるからだ。

ユヴァル・ノア・ハラリ(著)柴田裕之(翻訳)河出書房新社 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福(上)』

どうやって特定の物語を彼らに信じてもらうか、つまりコミュニケーションの方法、量と質が重要なのだと思います。

会社が語る物語を信じることができなくなったときに社員は辞めていきます。

自分たちの物語を信じさせるための儀式

有名人を呼んで大々的に入社式を行ったりする企業がありますが、それは新入社員に自分たちの会社にまつわる物語を信じさせるための儀式だと言えます。

『サピエンス全史』の面白いところは、そうした物語は虚構であって実際には存在しないと言っている点です。

「良い会社」かどうかは、私たちが「良い会社」と信じるかどうか、つまり私たちの想像の中に存在するということです。

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