労働契約法、無期雇用転換ルールの抜け道
2020/05/31
こんにちは。
神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。
土曜日にこんなニュースを見ました。
朝日新聞デジタル 2017年11月4日05時03分
今回は平成25年に改正された労働契約法の無期雇用転換ルールについて書きたいと思います。
目次
平成25年に労働契約法改正 有期雇用から無期雇用への転換
平成25年に労働契約法が改正されました。
有期労働契約が同一の事業主との間で通算5年を超えて繰り返し更新される場合は、労働者の申し込みにより無期労働契約に転換することができます。
有期労働契約であっても、更新を繰り返し勤続年数が長くなれば、実質は無期労働契約であると考えられるからです。
通算で5年のカウントの開始は平成25年4月1日以降に開始した労働契約からとなります。
労働契約がない期間が6か月以上あれば前後の期間はカウントしない
ただし、労働契約のない期間が6か月以上ある場合は、前後の期間を通算しないことになっています。
朝日新聞の記事によると大手自動車メーカーは、有期契約の期間が通算5年を超えないように一度雇用契約を終了させ、6か月以上の期間を置いてから再契約するとのことです。
当初から労働契約法"改悪"(?)という声はあった
会社が無期契約にすることを望まない場合は、通算5年を超える契約を締結する前に契約を終了させることになります。
有期契約で働いている人が、5年で無期契約に転換するというルールが出来たために、かえって職を失う可能性があるのではないかという声は当初からありました。
2014年には早稲田大学が非常勤講師の契約を通算で5年で終了するように就業規則を変更しようとしています。
年収250万…早稲田大の非常勤講師らが、大学を刑事告発 突然の雇い止めの実態
ビジネスジャーナル 2014年6月7日 14時0分 livedoor news
今後、無期雇用転換に関するトラブルが増加する?
1年以下の雇用契約の場合、通算5年を超える雇用契約を締結するのは平成30年(2018年)4月1日以降になります。
そのため、平成30年(2018年)4月1日以降に無期雇用転換に関するトラブルが増加する可能性があります。
※1年以上の雇用契約の場合、通算5年を超える契約を締結するタイミングが平成30年(2018年)3月31日以前になるので注意してください。