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半日出勤を0.5日とカウントすると、雇用保険・社会保険の手続きで問題は起こるのか?

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

今回は出勤日数についてブログを書きたいと思います。

目次

半日出勤を0.5日出勤とカウントすることで問題は起こるのか?

午前または午後のみ勤務した場合、0.5日出勤とカウントしている会社があります。

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 合計
午前のみ 午後のみ 午前・午後 午前・午後 午前・午後
0.5日 0.5日 1日 1日 1日 4日

月曜日から金曜日まで毎日出勤しているので実際の出勤日数は5日ですが、午前または午後のみ出勤した場合を0.5日とカウントすると、実際の出勤日数より少ない4日となります。

このように半日出勤を0.5日出勤とカウントすることに問題はないのでしょうか?

雇用保険の被保険者期間が足りなくなる!?

半日出勤を0.5日とカウントしている場合、従業員が退職する際の離職票の手続きや育児休業給付金の手続きの際に注意が必要になります。

退職した従業員が基本手当(いわゆる失業保険)を受給するには、退職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12か月以上必要となります。

特定受給資格者または特定理由離職者に該当する場合は、退職日以前の1年間に雇用保険の被保険者期間がか月以上必要となります。

雇用保険の被保険者期間は離職日から1か月ごとに区切った期間に賃金支払いの基礎となった日数が11日以上ある月を1か月とカウントします。

半日出勤を0.5日とカウントすると、前述のとおり実際の出勤日数より少ない数字をハローワークに提出する書類に書き込むことになります。

その結果、賃金支払いの基礎となった日が11日未満となることもあるでしょう。

11日未満の月は雇用保険の被保険者期間からは外されるので、基本手当が受給できなくなってしまうこともあります。

いわゆる正社員の場合、半日出勤を0.5日とカウントしても影響がでるケースは稀ですが、パートタイマーなど出勤日数が少ない契約で働く場合は要注意です。

社会保険料が変わってくることも

半日出勤を0.5日とカウントすることにより、社会保険料が変わってしまうこともあります。

社会保険料は毎年4月、5月、6月に支払われた賃金の金額をもとに決定されます。

賃金支払いの対象となった日が17日未満の場合、その月に支払われた賃金は社会保険料の算定からは外されます。

4月、5月、6月の全ての月で賃金支払いの対象となった日が17日未満の場合、15日以上の月の賃金をもとに社会保険料が決定します。

定時決定 日本年金機構HP

半日出勤を0.5日とカウントすると、賃金支払いの対象となった日が17日(または15日)に満たなくなることがあります。

17日(または15日)に満たない月の賃金は社会保険料の算定からは外されることになるので、本来の社会保険料とは異なる保険料を支払うことになります。

出勤簿や賃金台帳に出勤日数を記載するときは、0.5日ではなく1日とカウントすべき

このようなケースは毎年1~2件程度ですが目にします。

特に日給制の場合は半日出勤を0.5日とカウントしたほうが給与計算がしやすいかもしれませんが、出勤日をカウントする際は0.5日や0.25日ではなく、僅かな時間でも出勤して労働したのであれば1日とカウントすべきです。

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