ロバート・ライシュ教授の著作を読んで思うこと
2020/05/31
こんにちは。
神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。
今回のブログは思いつきで書いています。
法改正や労働社会保険諸法令に関する話題は出てこないので、読まずに飛ばしていただいても問題ありません。
目次
ブログ、連載、文章を書くこと
もともと純粋に文章を書きたいという気持ちと、それを仕事にしたいとの思いがあり、このブログを始めました。
幸運なことにブログの記事が理美容教育出版株式会社様の目に留まり(?)、「月刊サロンオーナー」に連載させていただくことになりました。
仕事量が増え、このブログの更新ペースが落ちいますが、ブログには"①思ったことを自由に書ける""②法改正などの新しい情報をタイムリーに発信できる"というメリットがあります。
ですので引き続きブログも更新して行きます。
「誰か雇って書かせればいいじゃん」「外注に発注すれば?」と言われることもありますが、そうした予定は今のところありません。
もし誰かに依頼することがあれば、書いた人の名前で発表してもらいます。
アメリカの労働長官といえばロバート・ライシュ教授
あまり話題にはなっていないニュースですが、5月4日に加藤厚生労働大臣とアメリカのアコスタ労働長官が「労働分野における協力覚書」を交換しました。
厚生労働省HP
この覚書は企業経営にすぐに影響を与えるものではありません。
米国労働省から強引に話題を展開しますが、アメリカの労働長官と言えば、ロバート・ライシュ教授です。
このブログでも何度か触れていますが、ライシュ教授はクリントン政権で労働長官を務めた経済学者です。
ライシュ教授のドキュメンタリー「みんなのための資本論」を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
脇道にそれますが、タイトルの「みんなのための"資本論"」はあまりいい翻訳ではないと私は思います。
原題は"Inequality for All"なので、直訳で「みんなにとっての不平等」で良いのではないかと思います。
"資本論"という言葉からはマルクスがイメージされますが、ライシュはマルクス主義者ではありません。
ピケティの『21世紀の資本』が日本でも話題になったので"資本"という言葉を使ったのかなと勝手に推測しています。
一日一歩、三日で三歩、小さなことからコツコツと
『暴走する資本主義』『余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる』『格差と民主主義』、ライシュ教授の著作は必ず読むようにしています。
ある方から「本気で勉強するなら翻訳ではなく原著を読んだほうがいい」と助言を頂いたので、『最後の資本主義』はkindleで原著の『Saving Capitalism: For the Many, Not the Few』を購入しました。
ライシュ教授は大企業が資本主義のルールを自らが有利になるように書き換えることの問題点を豊富な例を使って指摘しています。
特定のプレイヤーの都合のいいようにゲームのルールが変われば、富める者はますます富み、貧しいものはますます貧しくなります。
格差を是正するためには民主主義を取り戻し、特定のプレイヤーがルールに与える影響を減少させなければなりません。
ライシュ教授の主張は正しいと思っていますが、私はこれからも格差の拡大は止まらず富裕層以外の人々の生活はますます苦しくなると思っています。
そういう悲観的なことを言うと、ライシュ教授には次のように言われるでしょう。
リーダーは他の人々を積極的に動かして、なすべきことを完遂させなければならないが、そのためには世間のほとんどの人たちの頭に巣食っている4つの「労働回避メカニズム」を克服できるよう、手を貸す必要がある。
ロバート・B. ライシュ (著) 雨宮 寛 (翻訳) 今井 章子 (翻訳) 東洋経済新報社『格差と民主主義』
4つの労働回避メカニズムとは①「否認」②「エスケープ(逃避)」③「スケープゴート(身代わり)」④「シニズム(冷笑)」の4つの事を言います。
4つの労働回避メカニズムとは? ①「否認」⇒問題の存在を認めない ②「エスケープ(逃避)」⇒問題を認識しても責任逃れをしようとする ③「スケープゴート(身代わり)」⇒問題を起こした人を身代わりにする ④「シニズム(冷笑)」⇒問題改善の可能性を信じようとしない |
問題を解決するのが難しくても、何らかの対策を講じなければなりません。
とは言っても、政治的な活動など、大げさな行動を起こさなくても私はいいと思っています。
それぞれが出来る範囲で社会のためになることをすればいいと思っています。
水前寺清子は「一日一歩、三日で三歩」と歌いましたが、これは名言ですね。
誠実に仕事をするだけでも社会の役に立つし、学生であれな真面目に勉強するだけで社会の役に立っていると私は思います。(将来の社会でもいいと思います)
とりとめのない文章になりましたが、小さなことからコツコツと時には無理せずサボりつつ頑張っていきたいものですね。