随筆・プライベート

2019年は妻に優しくしよう~源頼朝と北条政子~

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

お正月休みのために図書館で6冊ほど本を借りていたのですが、半分くらいしか読めませんでした。

吉川英治の『新・平家物語』がおもしろくて、そちらにかかりきりになっていました。

『新・平家物語』では源頼朝と北条政子の夫婦生活についても描かれています。

この二人のやり取りが非常にリアルでおもしろいのです。

目次

三大悪女とは言い過ぎだ

北条政子は日本三大悪女の一人に数えられることもあるようですが、これは後世の儒教の影響があるようです。(ちなみに三大悪女の残りの二人は日野富子と淀殿らしい)

政子は儒教の影響がほとんどなかった時代に生きています。

歴史上の人物を考えるときは「"その人物そのものの姿"と"歴史によって作られた姿"は違う」ということを頭に入れておかなければいけません。

二人の政子

私は小説を読むことで北条政子という人物を知りました。

もちろん小説に描かれる北条政子も歴史によって作られた姿の一つです。

昨年は山岡荘八の『源頼朝』を読み、そして今は吉川英二の『新・平家物語』を読んでいます。

ですので、稀代の大作家二人の目を通して北条政子を見ていることになります。

山岡荘八の描く政子は天の使い

山岡荘八の『源頼朝』で描かれる政子は、はっきり言って天女です。

政子は山木兼隆と結婚することになっていましたが、頼朝と結ばれるためになんと結婚式の当日に脱走します。

山木兼隆は平家側の人間です。

いまいち煮え切らなかった頼朝は政子の脱走に引きずられる形で平家との戦いを決意します。(これはワタシの印象ね)

政子がいなければ頼朝のその後の偉業もなかったわけで、政子は頼朝を起たせるために天が送った使いのように思えます。

『新・平家物語』の頼朝と政子のやり取りは非常にリアル

『新・平家物語』では頼朝は政子に対してすごく気を遣います。

これは政子の父親、北条時政の勢力を味方につけておきたいという頼朝の思惑があります。

頼朝が政子に対して気を遣いすぎたせいか、政子もワガママになり夫婦喧嘩がたびたび行われます。(ワガママという言葉を使いましたが、政子だけの責任ではなく頼朝にも責任はある)

特に石橋山の合戦で敗れ三浦へ逃げようとする頼朝と政子のやり取りは非常に印象的です。

頼朝と合流するために必死に山道を歩いてきた政子に対して、頼朝は「何しにきた」「俺の仕事の邪魔をするな」「帰れ」と言い放ちます。

そして夫婦の間で次の会話がなされます。

「よけいなお気づかいは、なさらないでくださいませ。政子は政子の智慧で生き耐えてまいりまする」

「それでこそ、男の望む妻だ。よういうた」

「あなたは、人が変ったようにおなりお遊ばしました」

「変わらなくてどうしよう。そなたの黒髪に巻かれ伏して、女の涙などに濡れていたら、可惜と、石橋山の白骨が泣こう。生きている諸国源氏の若者も泣く」

吉川英二(著)講談社『新・平家物語』

どうですか。

現代を生きる私たちにもこのような会話はありますよね。

「もう私は一人で生きていくわ」

「勝手にしろ」

「あなたは昔と変わったわ」

「そりゃ変わるさ。今は仕事が大事なんだ」

みたいな会話です。

ウチの妻はよくしゃべる

話しは変わりますが、私の妻について書きたいと思います。

ウチの妻はよくしゃべります。

聞いていて面倒になり、つい途中で遮ってしまうこともあります。

また本を読みながら、あるいは仕事をしながら、適当に相槌を打つこともあります。(もちろんドラクエやりながらも)

話をちゃんと聞かないのはパワハラ?

あるパワハラ研修に参加したときに、部下の話を他の作業をしながら聴くことはパワハラだと言われました。

キーボードをカチャカチャ打ちながら、あるいは部下の顔ではなくパソコンのモニターを見ながら、うわの空で話を聞く上司がいますよね。

またボールペンを神経質そうにカチカチしながら話をするのもよくないそうです。

上司たる者、部下の話はしっかり顔を見て真剣に聞かなければいけないのです。

妻は部下よりも大切な存在です。

研修で学んだことを実生活に活かせてないですね。

反省しなければなりません。

2019年は妻に気を遣おう

ということで、2019年は頼朝を見習って妻に気を遣おうと思います。

ウチの妻には北条氏ほどの財力も兵力もありませんが、なかなか優秀です。

頼朝は妻に気を遣って天下を取りました。

天下とまでは言いませんが、私も妻に優しくしてバイクくらいは買ってもらおうと思います。

 

北条政子の墓は鎌倉の寿福寺にあります。

駅から歩いて10分くらいのところなので、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

-随筆・プライベート