行政機関の問題

「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する"追加"報告書」について

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

1月に「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書」についてブログに記事を書きました。

「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する"追加"報告書」

その「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書」ですが、第三者委員会の調査に厚生労働省の幹部が立ち会っていたことが分かり、その中立性が疑われる事態となりました。

そこで再調査が行われ、"追加"報告書が発表されました。

1月に最初の報告書に関する記事をブログで書いたので、"追加"報告書についても軽く触れておきます。

今回の記事は補足であり、1月の書いた記事のほうに私の思ったことが書かれているので、そちらをお読みいただければ幸いです。

「毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する報告書」を読んでみる

とりあえず"追加"報告書のリンクを貼りますので、興味のある方、お時間のある方はお読みください。

毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する追加報告書について

毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する追加報告書[PDF形式:274KB]

毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する追加報告書概要[PDF形式:402KB]

厚生労働省HP

「隠蔽行為」とはなんだろう?

今回の統計不正問題では、組織的な隠蔽の有無が問題となっていますが、この報告書では「隠蔽行為」を次のように定義しています。

「隠蔽」する対象事実としては、全数で行うべき調査を抽出で行い、かつ、抽出調査の場合の統計処理として通常行うべき適切な復元処理をしていなかった等の法律違反又は極めて不適切な行為(以下「違法行為等」という。)であり、「隠蔽行為」とは、その事実を認識しながら意図的にこれを隠そうとする行為(故意行為)であることを前提とした。

毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する追加報告書 P18

この定義に照らし合わせると、今回の毎月勤労統計に関する問題に「隠蔽行為があったとはいえない」という結論になるそうです。

当人や厚生労働省、担当課(室)にとって、極めて不都合な事実であるとか、深刻な不正であるなどと捉えていたとは認められなかった。担当課(室)の職員らにおいて、綿密な打ち合わせや周到な準備などがなされた形跡はなく、むしろ、随所でいずれ不適切な取扱いが露見するような、の場しのぎの事務処理をしていたことが認められる。

これらを踏まえると、担当課(室)の職員らにおいて、意図的に隠したとまでは認められず、「隠蔽行為」があったとはいえない

毎月勤労統計調査を巡る不適切な取扱いに係る事実関係とその評価等に関する追加報告書 P18

最優先課題は「これから適切な方法で統計調査を行うにはどうすればいいのか」ということ

どんな組織にも不祥事は発生します。

そのときにどんな対応をすべきか、そういう視点でも今回の統計不正問題を見ています。

はたしてこの追加報告書は国民の理解を得られるでしょうか。

野党は今後も国会で追及するようですし、マスメディアによる報道もしばらく続きそうです。

この問題はさらに紛糾しそうですが、私としては「これから適切な方法で統計調査を行うにはどうすればいいのか」ということを最優先課題にしてもらいたいと思います。

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