労働問題

人の気持ちの変化は職場の慣習にどのような影響を与えるのか?

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

先日、100円ショップで1,000円の釣り竿を買いました。

釣りは初心者ですが、今週末にでも挑戦してみたいと思います。

ちなみに私の祖父は片瀬海岸で漁師をしていました。

妻の祖父も漁師です。

不思議な縁ですね。

果たして、漁師の孫に釣りの才能があるのか!?

今週末が楽しみです。

目次

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理美容教育出版株式会社の『月刊サロンオーナー7月号』が6月10日に発売になります。

7月号では労働時間の基本について書いています。

理美容業の経営者だけでなく、働く人にも大事なことが書いてあります。

ぜひご一読くださいませ。m(_ _)m

気持ちが変われば対応も変わる

さて、話題は変わります。

 

2011年の東日本大震災の直後に、公共交通機関が機能していなかったために欠勤した部下に対して、「君の仕事に対する姿勢がよく分かった。がっかりした」と言い放った上司の話を聞いたことがあります。

東日本大震災は未曽有の大災害であり、日本中が混乱しました。

部下本人が無事であっても、その家族、親類が被災している可能性もあります。

また余震のおそれもあるでしょう。

こうした状況では欠勤もやむを得ないと私は思います。

 

現在では、上記の上司のような言葉は望ましくないとする企業が多いのではないでしょうか。

社員の安全を優先し、自然災害や大きな事故が発生した際には自宅待機とすることが望ましいと考える人が増えたからです。

最近では台風の接近が予報されると、休業としたり、始業時刻を遅らせる、あるいは早退させるなどの対応をとる企業についての報道をよく目にします。

 

時代は変わったと思いますが、こうした変化は法改正により起こされたことではありません。

働く人や経営者の気持ちが変わったからだと私は思っています。

気持ちの変化は職場の慣習にどのような影響を与えるのか?

法改正だけでなく、働く人の気持ちの変化が、職場の慣習にどのような影響を与えるかについて、よく考える必要があります。

 

終業時刻後に賃金を支払うことなく強制参加の研修を行なう企業があります。

もちろんこれは労働基準法違反であり、研修の時間についても賃金を支払わなければなりません。

これがまかり通ってきた理由の一つとして、「それはおかしい」と企業に対して訴える人が少なかったことが挙げられると思います。

訴えたとしても、「やりがい」「成長」「つながり」「仕事とはそういうもの」などの言葉や、時には恫喝によって抑え込まれることもあったかもしれません。

 

こうした違法な状況が今後もまかり通るかと言えば、そうではないと思います。

働き方改革という言葉が使われるようになり、労働法に対する関心、知識を持つ人が増えました。

企業に対してはっきりとモノを言う人も増えていると感じています。

 

法律を遵守することが大前提として、さらに人の気持ちという面からも労働環境について考えてみてはいかがでしょうか。

働く人の気持ちを無視して企業を経営するのは、だんだん難しくなっていると私は感じています。

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