随筆・プライベート

北村流アンガーマネジメント~怒りについて考える~

2020/05/31

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の社会保険労務士・北村です。

新型コロナウィルス感染症の拡大は本当に恐ろしいですね。

鎌倉も多くのお店が休業し、街を歩く人も少ないです。

早くこの騒動が終息してほしいですね。

目次

怨むという感情を深くは知らぬだけに、いちど人を怨んでみたいとおもい・・・

宮城谷昌光先生の小説に、春秋戦国時代の宋という国の宰相、華元についた描いた「華栄の丘」という作品があります。

この作品の中に、主人公の華元が戦の最中に部下に裏切られ拉致されるシーンがあります。

このときの華元の反応がとても興味深いので紹介したいと思います。

怨みを与えたものは相手に怨みを晴らさせるのが、礼であろう。華元は怨むという感情を深くは知らぬだけに、いちど人を怨んでみたいとおもい、剣には手をかけず、手綱も奪わず、羊斟という奇人をしげしげとながめた。

宮城谷昌光(著)『華栄の丘』

”いちど人を怨んでみたいと思い・・・羊斟という奇人をしげしげとながめた。”

ユーモラスな中にも華元の器の大きさが感じられる文章ではないでしょうか。

自分が華元だったら、きっと慌てに慌てて暴れていると思います。

もっともこの場面で暴れたら、その場で斬られてしまう可能性がありますね。

 

こういう予想外のとんでもない状況に出くわしても、落ち着きを失わない華元は凄いなと思います。

予想外の出来事が起きたときはに華元のように、思い切ってその状況を味わってみるのもいいかもしれませんね。(言うは易し、行うは難し)

「怒り」という感情を味わって分析する

先日、ちょっとしたトラブルに巻き込まれ、怒りの感情が沸き起こりました。

そのときに前述の『華栄の丘』の一節を思い出し、いい機会だから華元のように「怒り」という感情を味わって分析してみようと思いました。

怒ると知能指数が下がる

まず思ったのは「怒ると知能指数が下がる」ということです。

トラブルが起こった後も、やらなければいけない仕事があったのですが、全く集中できないし、考えがまとまらない・・・。(;'∀')

こういう状態は非常によくないと思います。

気遣い・思いやりがなくなる

そして視野が狭くなり、相手への気遣い・思いやりがなくなります。

どんなトラブルにも、それが起こってしまった原因があります。

やむにやまれぬ事情もあったかもしれません。

怒りを感じると、そうしたことへの思いやり・気遣いがなくなります。

 

「自分は悪くない」「お前が悪い」「お前がなんとかしろ」

こういった感じで、自分の感情ばかりに囚われ、相手のことを考えることができなくなります。

 

こういう状態になると、情報を収集して解決策を模索することより、相手を攻撃することを優先しています。

「もう我慢ならん。すぐに電話して文句を言ってやるぜ!!」みたいな戦闘モードになってしまいました。

相手が悪いと決めつけ、攻撃し、たとえ言い負かしたとしても、人間関係が破綻するだけ

相手を攻撃したってトラブルは解決しません。

妻からは「相手が悪いと一方的に決めつけて、たとえ言い負かしたとしても、人間関係が破綻するだけだよ。自分は満足しても後に残るのはゼロかマイナス」と言われました。

この言葉は一理あると思います。

怒りに任せて相手を攻撃するのは、なんとか踏み止まりました。

ふて寝をしよう

とは言え、怒りを抑えるのは難しいです。

その後も悶々とした時間を過ごしました。

怒りの感情を短時間で抑えることは僕には難しいようです。

 

こんな状態で一体どうすればいいのか・・・?

 

そうだ!

ふて寝だ!!

思い切って寝よう!!!

ということで仕事を一旦放りだしてふて寝をしました。

対自核夢の中のディスティ・ノヴァ教授

眠ることはいい解決策でした。

すっきりさっぱり気分爽快!!

怒りの感情も収まりました。

まるで対自核夢の中のディスティ・ノヴァ教授のような気持ちです。

私は今まで

何に 駆り立てられていたのだろう・・・

この胸のわきあがる思いは なんだ・・・

ああ この世に 悲惨も 死も存在せず

ただ 喜びだけを 心から信じられるならば・・・

祈らずにはいられない

この刻が永遠に続けと・・・

木城ゆきと (著) 銃夢(9) Kindle版

怒りの原因となることから物理的・時間的に距離を取る

「ふて寝とかふざけたこと言いやがって!オマエ、個人事業主だから寝れんだろ!!」という声が聞こえてきそうです。

会社で働く人は仕事中にふて寝はできないですよね・・・

そんな人は思い切って有給休暇を取得するのはいかがでしょうか?

 

「有給休暇!?そんなもん簡単に取れんわ!!」という声も聞こえてきそうです。

まいった・・・。

とにかく何らかの方法で怒りの原因なることから物理的・時間的に距離を取ることが有効だと思います。

後は自分で工夫してくださいませ。

怒りの原因は何なのか?

落ち着きを取り戻してから「自分は何に対して怒りを感じていたのか」ついて考えてみました。

冷静に整理してみると、あらかじめ決められていた仕事の進め方を変更されたことに自分は強い怒りを感じたようです。

先日読んだ本には"人間は相手に受け入れられないことを恐れる"と書いてありました。

あらかじめ決められていた事項が変更されたことで、自分が受け入れられなかったと感じたのかもしれません。

ちっちぇえな

仕事なんて予定どおりに進むものではありません。

計画に変更はつきものです。

よく考えたら僕もしょっちゅう予定変更してますしね・・・。(;'∀')

 

落ち着いた気持ちで怒りに囚われていた自分を振り返ってみると「ちっちぇえな」の一言です。

本当にダサい。

 

翌日になって相手の方にお話を伺ってみると、変更をしなければならないやむを得ない事情があったことが分かりました。

そうした事情があることを察しようとせず、一方的に怒りを感じて不機嫌な態度を取っていた自分が恥ずかしいです。

素直に反省・・・。

 

といった感じで、今回は北村流のアンガーマネージメントについて書いてみました。

新型コロナウィルス感染症の拡大、経済の先行きは不透明・・・、いろいろと気の滅入ることばかりですが、なんとか頑張っていきましょうね!!

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