年金

年金改革法が成立・・・その1~公的年金の繰り下げ支給・繰り上げ支給について~

こんにちは。

神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士・北村です。

2020年5月29日に年金改革法が成立しました。

これから数回に分けて、年金改革法について記事を書こうと思います。

目次

(1)2022年4月から公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り下げることができる

2020年5月現在、公的年金の受給開始年齢は原則65歳となっています。

受給開始年齢は手続きを行なえば70歳まで繰り下げることができます。

今回の改革法の成立により、2022年4月以降は75歳まで受給開始年齢を繰り下げることができます。

①1か月繰り下げるごとに0.7%増額、75歳まで繰り下げると84%増額される

公的年金は受給開始年齢を1か月繰り下げると0.7%増額されます。

75歳まで繰り下げると84%増額されることになります。(0.7×12か月×10年)

②2018年の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳

ちなみに厚生労働省の調査によると2018年の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳となっています。

これは"平均"寿命なので、現時点で健康に生きている人は平均寿命を超えて長生きする可能性があります。

③額面だけで単純計算すると、86歳2か月で65歳から受給した人を追い抜く!?

とは言え、84%増額するとはいえ、受給開始年齢が75歳になります。

単純に額面で計算すると65歳から受給したケースを75歳から受給したケースが追い抜くのは86歳2か月です。

86歳2か月という数字は単純に額面だけで計算した数字です。

年金の繰り下げについて検討するときは、額面だけでなく手取り額についても比較したほうがいいです。

④年金の繰り下げについては、手取り額についても比較する

年金の受給額が増えれば、所得税・住民税・社会保険料等の額が増えます。

当然、手取り金額は少なくなります。

⑤手取りで比較するなら、だいたい87歳弱くらいで追い抜く

税や社会保険料も考慮すると、65歳から受給したケースを75歳から受給したケースが追い抜くのはだいたい87歳弱くらいになると思われます。

年金の繰り上げ、繰り下げについては、自分の資産状況、健康状態を吟味して、慎重に検討したほうがいいでしょう。

(2)2022年4月から公的年金を繰り上げ支給したときの減額率を0.4%に変更

公的年金の受給開始年齢は60歳まで繰り上げることもできます。

2020年5月現在、公的年金は受給開始年齢を1か月繰り上げると0.5%減額されます。

2022年4月以降は減額率が0.4%に変更されます。

年金の繰り上げ・繰り下げに関する個人的な感想

75歳まで繰り下げる人ってどれくらい出てくるんですかね?

興味があります。

年金以外に収入を得る手段がなければ繰り下げるモチベーションは減るだろうし、繰り下げによって年金額が増えてもお金を使うモチベーションだどれだけあるのか・・・。

 

ちなみに僕は65歳以降も収入が確保できるのであれば、70歳まで繰り下げようと思っています。

老後に備えて65歳までに何らかの不労所得を得る、または70歳まで働ける環境を確保するのが目標です。

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