「掟」「ローカルルール」の消滅と労働問題
こんにちは。
神奈川県鎌倉市の特定社会保険労務士、北村です。
1月の終わりに子どもがインフルエンザにかかり、それがうつりました。
ここのところ、子どもが風邪を引いても親にはうつらなかったので、「今回も大丈夫だろう」と油断していました。
インフルエンザの感染力は侮れないですね。
子どもが発症して2日後に私も発症しました。
次からうつらないように感染対策を徹底しようと思います。
「掟」「ローカルルール」の消滅と労働問題
インフルエンザで寝込んでいたときに『平成史』(佐藤優 著、片山杜秀 著、小学館文庫) を読み直しました。
この本の中で平成という時代は様々な団体や組織が持っていた掟やローカルルールが適用されなくなっていった時代との指摘がありました
片山 ローカルルールの消滅という文脈では、16年12月のSMAP解散騒動を思い出しますね。ジャニーズ事務所も相撲部屋や山口組と同じで掟が支配する組織だったわけでしょう。しかし山口組もジャニーズ事務所も相撲部屋も平成に入って驚くべき平準化圧力に曝されて、掟の支配が及ばなくなっている。
佐藤 そう考えていくと、平成とは様々な団体や組織が持っていた掟やローカルルールが適用されずに、文化が消失していく時代だったと総括できますね。
『平成史』(佐藤優 著、片山杜秀 著、小学館文庫)
掟やローカルルールが適用されなくなった時代という指摘は興味深いと思いました。
私が顧客とする中小企業にも各企業ごとの独自の「掟」や「ローカルルール」が存在することがあります。
私が実際に見聞きした「掟」や「ローカルルール」を一部紹介したいと思います。
・当社に残業代は存在しない。
・入社後、1年が経過するまでは社会保険に加入させない。
・当社には有給休暇はない。
・当社には労災保険という制度はない。
・仕事でミスをしたときは、罰金を会社に支払う。
行政や司法が企業に介入してきたときは、「掟」や「ローカルルール」よりも法律が優先されることになります。
ところが自分たちの「掟」や「ローカルルール」よりも法律が優先されるということを理解できない経営者は存在します。
インターネットの発達により、労働法へのアクセスは容易になりました。
労働基準監督署への申告、弁護士への依頼に対する心理的ハードルも下がっているように感じています。
自分たち独自の掟やローカルルールよりも法律が優先される時代になったということを理解できないと、これからの時代に安定した労務管理を行うことは難しいのではないでしょうか。